2008年02月05日

「傷春譜」




「チューリップの誕生日」や「はじまりの空」などで、大好きな作家楡井亜木子さんの初期作品、「傷春譜」をやっと読むことができました。

物語は、幼い頃に母親をなくし、父親と継母の三人でくらすしっかり者の女子高生、磨理枝。
その彼女が、地方の小劇団の主宰者に恋し、彼を追いかけていく……。

というような物語なのですが、表題作である「傷春譜」の磨理枝も、併載作品の「あたたかい鎖」の夕凪も、一見普通の、しっかりしている女の子だけど、どちらもむきだしのナイフのような、尖った心を持つどこか危うい精神状態の、年相応の女の子なんじゃないかなぁと思いました。
で、そのどちらもが、ろくでもない男に恋をする。
普通、これが実際の話なら、私は頭の固い大人のように眉をしかめるでしょうが、なぜか彼女たちは憎めませんでしたね。
これがフィクションだからなのかはわかりませんが、彼女たちの行動はある意味とても小気味いいと思いました。
その彼女たちが恋する男も、女にだらしなくて、夕凪の彼氏の一郎なんて無職で遊び人なんだけど憎めない魅力を持ってる。

正直、物語は明確な終わりを迎えずに終わっているのですが、出来れば、その後の彼女たちを読んでみたいと思います。
尖った心のまま大人になるのか……。
それとも当たり前の平凡な大人になるのか……。
想像するだけで、楽しみです。
posted by しき at 16:19| Comment(2) | TrackBack(1) | こんな本読みました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。同じ本の感想記事を
トラックバックさせていただきました。
この記事にトラックバックいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。
Posted by 藍色 at 2011年01月28日 17:32
藍色様。
コメントありがとうございました。
えぇ〜と、トラバしていただけたとのことですが、こちらに送信されていないようなのですが?(汗)
似たような感想をもたれたようですので、こちらからもトラバさせていただきますね。
ありがとうございました。
Posted by しき at 2011年02月07日 22:27
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「傷春譜」楡井亜木子
Excerpt: 「この男を今、私のものにしたい」何もかもどうしようもない、という磨理枝と、 何もかもどうでもいい、という夕凪。 クラスメイトのなかで、どこか違っている二人。 子供であることを嫌悪し、大人であるこ..
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Tracked: 2011-02-09 02:32